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カキン帝国

急激な成長を遂げた経済力と、国家間におけるやや強引な駆け引きにより、V6入りを果たしたカキン。
しかし、華やかな外への顔とは裏腹に、内側は様々な思惑や陰謀で渦巻く伏魔殿であった。

●国家の概要

※現在、国王・全王妃・全王子とその側近がBW号に乗船していることから、国家中枢を担うほとんどの人員がBW号内に集中しているという一種の異常状態にある。この間、カキン国内には国家運営のための組織・人員が臨時的に設置されていると思われるが、ここではBW号内に存在する人物・機関=カキン国家全体として取り扱う。

▼位置
アイジエン大陸の中央部に位置する。
G・Iクリア後、ゴン・キルアがカイト達と出会った場所でもある。

▼ヨークシンとは遠く離れている

▲18巻170頁より

▼元首
ナスビー=ホイコーロ

▼建国年
カキンの土地に根付く国家は、古代から王朝を代えるなどして続いてきた模様であるが、現国家は30年程度前(ハンター暦1969年頃)、真林館事件によって帝国社会主義から議会民主主義へと転換。
このとき、現国王であるナスビーが王位に就いたと考えられる。
議会制度がありながら、帝国の名を残し(又は未だにそう呼ばれ)ていること、王族が軍を掌握し政治参加していることから、建国の理想(又は表向きの標榜)と実態の乖離が発生している可能性がある。


●国内組織

※現在判明している事項のみ掲載。
※数字は初登場時の巻・頁。台詞がないときやコマの端などわずかに登場しているとき等は、初登場時にカウントしていない場合がある。

▼王族

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◆王室(王族)特権
王、王妃及び王子のみに認められている権利。
法を犯した容疑がある一般国民については、通常、裁判が始まるまでは身柄を拘束された状態で聴取等が行われるが、カキンの王族については、身柄は拘束されずに聴取を受けることができ、聴取結果も記録されない。
また、司法局員の監視がある状態であれば船内の移動も可能であり、監視・聴取機会も開始から72時間までに限定されている。
カチョウの従事者であるロベリーが、BW号1014号室において警護を行っていたバリゲンを殺害した容疑で、カチョウの母セイコが関与を疑われ、司法局から聴取を受けたが、セイコは王族特権を行使。
黙秘を続け、膠着状態のまま72時間経過し、監視から外れた。
このように、カキンの王族は特権によって手厚く守られ、何らかの容疑があったとしても、現行法では罪に問い身柄を拘束することは実質不可能となっている。

※人物については、BW号乗船者 人物辞典を参照のこと

◆国王軍
特殊戒厳令が発令された際は、武装市民をはじめ、不審者に対しても無警告での発砲、殺害が可能となるなど、絶大な権限が付与されている。第1王子等の私設兵が国王軍に所属しているほか、以下の者が確認されている。

◆王子
…第1王子は国王に次ぐ軍事最高副顧問の地位にあり、他の王子と比較して強い権限を持つ。また、各王子とも独立した居室を有するが、自分より上位の王子の居室には架電できず、上位王子からの連絡を待つのみとなる。上位の王子は私設軍を所持し、中でも上位5人の私設兵は幼少時から教育を受け、特に忠誠心が高いと言われている。

◆王妃
…各王妃とも独立した居室を有するが、乳幼児であるマラヤーム・ワブルの居室には母である王妃が常駐し、直接王子の世話等を行っている。王妃には、国王軍から割り当てられた軍人が王妃所属兵として警護に就いている。また、下位の王妃・王子を監視するため、上位の王妃は下位王妃の居室に1人、警護兵と称する人員を派遣して謀反等があいか監視を行うことが可能。監視の結果は第1王妃と第2王妃の所属兵がまとめることになっている。



▼最高裁判所
BW号内では、第1層に設置されている。なお、下級裁判所は2層にも設置されている模様。
カキン帝国の法の下、王族といえども最高裁判官(及び最高裁判所)の決定には従う必要がある。

▼司法局(司法省)
裁判所の事務方の機関。
国家や軍とは一線を画する独立した機関と認められている。
ただし、カキン国内に特殊戒厳令が発令されると、軍部により暫定的に三権(司法・立法・行政)を保護掌握されるため、独立機関として保証されているのはあくまでも平時にのみということになっている。
最高裁判官の命を受け、セイコをはじめとする王族の聴取を行った。
第2層に VIP(王族又はそれに準じる人物)用の証人保護エリアがあり、監視付きの軟禁にできる。
カイザルは、フウゲツを他の王子の脅威から守るため、このエリアを利用した。
なお、「司法局」「司法省」と呼称が混在している理由について、カキン本国では「司法省」という名称であるが、司法省がBW号に機関ごと移設されたことから、司法省の出先機関として「司法局」と呼称されているのではないかと考えられる。
そのため、従来の「司法省」であると認識している者もいれば、BW号乗船にあたって設置された正式名称「司法局」を呼称する者もいるという状況になっていると思われる。

▼王立軍学校
カキン国内に存在する。
卒業者は全員王立軍に入隊するわけではなく、王族の側近(私設兵)を目指す者もいる。
ベンジャミンの私設兵は、全員が本校の卒業生であることが判明している。


●制度・文化・風習

▼暦
カキン独自の暦(年号)である「カキン暦」を持つ。
3桁又はそれ以上の桁数を持つが、詳細は不明。
ハンター歴2002年が、カキン歴の下2桁でいう「21年」にあたる。
カキン歴(下2桁)で表記した主な出来事は以下のとおり。
  ※(   )はハンター歴
・88(1969)年  この頃、現在のカキン帝国樹立
・97(1978)年  謝肉祭が開催される
・98(1979)年  モレナが祭孤児として人身売買施設へ入所
  (この間、不定期に6回、謝肉祭が開催される)
・18(1999)年  民主化記念大祭が開催される
・19(2000)年  謝肉祭が開催される
・20(2001)年  19年開催時の祭孤児が人身売買施設へ入所
・21(2002)年  BW号が暗黒大陸へ向けて出航

▼緊急事態法
国家体制の維持を図ることが困難になる事態が発生した場合の対処を定めたものと考えられ、カキンの法の一つと推測される。
大規模テロや暴動による治安の悪化、自然災害や他国の攻撃による中枢部の破壊(物理的な直接被害のほか、通信障害等の間接的な被害を含む)等により、国家運営の機能停止が懸念される場合に発効され、王政の維持もこれに含まれる。
なお、後述する戒厳令についても、本法に定められた条項の一つである可能性がある。

▼戒厳令
戦時などの国家的規模の緊急事態に出す軍事的命令を指す。
治安維持のため、有事の際は軍部に立法権・行政権・司法権の三権を引き渡される。
カキンの特殊戒厳令は、テロや暴動等、実際に起こった事実に関わらず、軍の中枢(国王及び軍事最高副顧問である第1王子。ただし、第1王子が発令者となる場合は、国王からの委任状の発行が必要)が国家的危機であると判断した場合に発動される。
故に標的(この場合は立法・行政・司法を統括する機関及びその構成員)に言いがかりに等しい理由を突きつける等、疑念や容疑だけで物理的な制圧(不審者に対する警告なしでの発砲・殺害、武装市民の即時排除)ができてしまう。
カイザルは、独立機関である司法省であってもこのリスクから逃れられないことを悟り、万が一の場合に備えて外部から出向しているシュタイナーに後事を託した。
なお、カキンの「特殊戒厳令」と、通常の「戒厳令」との違いは作品中に明記されていないが、カキンは現在、国家運営を行う主要人物のほとんどがBW号に乗船していることから、BW号内でのみ発効する戒厳令(=カキン本国には効力が及ばない戒厳令)を「特殊戒厳令」と呼称している可能性がある。

▼発動すれば、日常を全て覆してしまうほどの変革となる。

▲38巻181頁より

▼準戒厳令
準戒厳令は、戒厳令に次ぐ軍事的命令であり、治安維持のため、有事の際は軍部に立法権・行政権・司法権の三権の一部が一時的に引き渡されると考えられる。
BW号第3層で発生した連続殺人事件の際に発令された。
軍が捜査を行う間、第3層の一般乗船者は部屋で待機することとなり、自由な行動が制限された。
食事はエリアごとに時刻指定され、軍の監視の中、食堂に誘導されることとなった。

▼不敬罪
王族を蔑ろにする一切の行為を禁じ、抵触した者を極刑に処すもので、カキン刑法の一つと推測される。
王族相手の避妊・堕胎・遺伝子鑑定等もこれに該当し、子孫繁栄に対する反逆行為とみなされるため、後述の謝肉祭における村人殺害の根拠にもなっていると考えられる。

▼TSK-17
カキンが開発した細菌兵器。
大気中では30秒と持たず不活性化(無毒化)するため、失敗作とされ大量生産には至らなかったが、呼吸により不活性化する前に人体へ取り込まれると急激に増殖。
感染性胃腸炎のような症状となり、半日程度で多臓器不全により死亡する。
また、TSK-17は感染者の遺体の腐敗を通常より早める性質を持ち、検視の際には本菌を使用した痕跡が残らない。
これらの特徴から、暗殺用の兵器として用いられる。
バルサミルコはハルケンブルグに対し、本菌を近距離で噴出することで暗殺する計画を立てた。

▼王位の継承
ナスビーの子として、14人いる王子のうち、最後に残った1人が王位継承権を得る。
国王であるナスビーが当該王子に王位を継承する旨の宣言を行い、誓約書を発行。
当該王子の誓約書の受理をもって、継承が完了したとみなされる。
なおその後、新王には王家に伝わる宝剣「吉兆丸」が渡される模様。

▼三種の神器
カキンの王位継承戦を象徴する至宝として、厳重に保管、祀られている宝物。
クロロはこれらの宝物を手に入れることで、自らの能力が大幅に向上すると考えており、探し出して盗もうと画策している。

◆壺中卵(こちゅうらん)
継承戦へ参加する王子のために使用する壺。参加者は自らの血を一滴、壺の中に落とし、壺にある口の部分に手を入れる。儀式のための儀礼的な宝物とされているが、この儀式を行うことによって、参加者の自覚なしに守護霊獣が生まれる。遠い昔、初代のカキン王が蟲毒から発想を得てこの壺を具現化した模様。

◆儀座禅仏(ぎざぜんぶつ)
継承戦を見守る御神体とされる宝物。座して祈りを捧げる人間の姿をしており、いわゆる即身仏と考えられる。宝物として扱われていることから、過去のカキン王であることが予想される。

◆吉兆丸(きっちょうまる)
次代の王に渡される宝剣。実際に武器として使用するのではなく、王位継承者たる象徴として所持すると考えられる。

▼壺中卵。14人の王子全員が、この壺を使って「壺中卵の儀」を行った。

▲33巻175頁より

▼謝肉祭
カトリック国においては、肉食を控える期間の直前に、肉を思い切り楽しみ羽目を外す祭のことであるが、カキンの場合は「肉」=「人」であり、数年に一度、王族によってランダムに選ばれた村へお忍びで赴き、狂気の「宴」を催すことを指す。
「宴」とはこの場合、王族が村人に対し強制的・連続的な性行為に及ぶことをいい、「持て成す者」に選ばれた者は、昼夜の区別も休憩もなく行為を強いられた結果、死に至ることも珍しくない。
「持て成す者」以外の村人は「その他」とされ、前述の不敬罪を理由に、全員が(事前に描いたカキンのシナリオどおり)極刑となり殺害される。
つまり、謝肉祭の会場として選ばれた村は、全員が死亡する運命となってしまうのである。
なお、村人が身ごもり産み落とした子は全員「祭孤児」と呼称され、顔を傷つけられた後、王族の婚外子等である「二線者」と、その他の「肉」に選別され、「肉」は人身売買される。
「肉」の詳細は不明だが、おそらく奴隷として生きていくことかと考えられる。

▼二線者
王位継承権を持たない王族のことで、上記の謝肉祭による祭孤児のうち、DNA鑑定等により国王との子(婚外子等)であることが証明された者が「二線者」と認められる。
二線者は生まれてすぐに顔を傷つけられ、王位継承権を持たないが、カキン国と深く関係しているカキン系マフィアの組長の地位を与えられ、表舞台でない場所で手厚く保護されている。
現在、カキンの二線者はオニオール(シュウ=ウ一家組長、ナスビーの異母兄弟)、ブロッコ(シャ=ア一家組長、ナスビーの異母兄弟)、モレナ(エイ=イ一家組長、ナスビーの愛人の子)の3名で、いずれも国王の婚外子となっている。
なお、一般国民に対しては、二線者の存在を知らせていないと考えられる。

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▼殉葬
古代国家の多くがそうだったように、古代カキンにも国王になれなかった王子が死亡後、怨霊となって祟らないよう共に埋葬される者がいた。
これを殉葬といい、黄泉の王子を監視する役割を持つ。
王子とは異性に当たる者が選ばれ、王子の死亡時、殺害された。

▼不可持民
カキンに存在する生涯普遍の身分制度のうち、最下層の者を指す。
公職に就くことはできず、また、殉葬者は強制的に不可持民から選定された。
なお、カミーラはこの不可持民から私設兵を選んだことから、彼女たちからの絶対の忠誠を得るに至った。
相手を強制的な絶にした上で呪いをかける不可持民特有の能力【つじつま合わせに生まれた僕等(ヨモツヘグイ)】を持つ。


●その他

▼王妃の名前に関する考察
王妃の名前の由来については作品上で明らかにされていないが、以下のとおりポルトガル語の数字と類似性があり、命名の元になっている可能性がある。

※ポルトガル語は、数字の1・2にのみ男性形・女性形が存在する
【順位】氏名 【数字】読み方
【1】ウンマ 【1】男:um (ウン)、女:uma (ウマ)
【2】ドゥアズル 【2】男:dois (ドイス)、女:duas (ドゥアス)
【3】トウチョウレイ 【3】três (トレース)
【4】カットローノ 【4】quatro (クアトロ)
【5】スィンコスィンコ 【5】cinco (スィンコ)
【6】セイコ 【6】seis (セイス)
【7】セヴァンチ 【7】sete (セチ)
【8】オイト 【8】oito (オイト)


最終更新 2026.08.17